本文へスキップ

ムーヴィーズ・フロム・マース呑気な映画、テレビ系ぼやきサイト

レッドオクトーバーを追えOPICS

NEWS

軍事小説の代名詞とも言えるトム・クランシーの代表作の一つであり彼の作品の初の映画化作品であるのがこの「レッド・オクトーバーを追え!」だ。
映画が公開されたときは賛否両論があったが、
批判側は原作に対する批判に近いものや
重箱のスミをつつくようなものが多く、ほとんどが粗探しといった趣であった。
ストーリーの中心にあるのはあくまでも冷戦時代を背景としたものであるために,
現在の情勢とは相当違いがあるのがちょっとした欠点であるが
当時の冷戦時代を知る世代にはなんともいえないものがあるのではないだろうか。
日本でもソ連将校のミグ25を使った亡命事件があり背景としては類似するものがあるため
その辺りまでの理解があれば相当楽しめる映画ではないかと思う。
共産主義の簡単な馬鹿馬鹿しさも描かれており、
教育によっては人間の思想というものがいかようにも返ることが可能であるということを示唆する内容もあり
国家主義というものの致命的な欠陥を伺い知ることことも出来る内容だ。
主人公のショーン・コネリーは完全にこの映画の中心としての貫禄と自由を追い求める人間、
そして家族を失った人間をうまく表現しており
ちょっとした深みを与えることに成功している。
共演としてこの原作の主人公である
「ジャック・ライアン」を演じたアレックス・ボールドウィンも
若々しい元海兵隊の隊員であるCIA局員をエネルギッシュにかつ知的に表現することに成功している。
この後シリーズ化するジャック・ライアン物はこの作品だけなのだが
最も原作で描かれている主人公像を最もうまく表現していると評価する向きもある。
潜水艦という閉鎖的空間を見事に描いている点も見事だ。
空間に存在するメカニズムも最新鋭の潜水艦の戦いと緊迫感を与えることに成功している。
一つだけ難をいえばロシア語で会話していなければおかしいところが英語での会話になっているところだろう。
まあこんな些細なことは気にしなくとも充分に人間の感情の動きを綿密に表現していることは間違いない。
戦闘シーンのリアリティは大規模な模型を使った実写なのだが
役者の凄さと丁寧な撮影で最高の緊迫感をもたらしている。
落ちもなかなかいけているし結構小粋なしゃれの効いた映画のような気もする。
戦争物、スパイ物が好きな人にはお勧めの最高の部類に入る映画でしょう。